レポート
【JOBRICO】生きづらさから生まれる光明
「NODDの記事はすべて読んでいます」
そんな嬉しい一言から話は始まった。
その日僕たちは横浜市の緑区へと足をのばしていた。
『ジョブリコ』。
障害者自立支援NPO法人『和有会』による就労継続支援B型作業所だ。
やわらかい日差しが差し込む作業所では、穏やかな空気が流れている。
一歩踏み込めば、ここで働く利用者や支援員の方々の人柄が感じられるようだ。
軽作業のみならず、同運営の『わんどきっちん』のから揚げ弁当は地域で評判の人気商品となっている。
そんなジョブリコで働く現場の方がNODDの活動に賛同し、僕たちのクリエィティブを求めてくれる。
一致団結するのに、時間はかからなかった。
何ができるか、働く人や地域の人々へどんな喜びを生み出せるか。
僕たちは話合った。
僕らをつないでくれた日野さん。福祉情報サイト『WelSerach』を運営する。
そんな打ち合わせをする中で
「こういう絵ってどうなんでしょう...?」と数枚の絵を紹介された。
「あ...」という小さな声がもれた。
それは今まで見たことの無いアートに出会った時に出る感嘆の声。
即決した。
「ぜひこの絵を描いた方を紹介してください」と。
アーティストyoco_matsu.
19歳〜から海外でもモデルをしていた。
そんな彼女は、多くの障害を抱えている。
ADHD
ASD
てんかん
鬱
半身麻痺
学習障害
聴覚の敏感
長い間、自身も分からない症状に苦しめられた。
17年、病院をまわり続ける日々。
麻痺、頭が痛い。原因がわかった方が楽なのに。
そしてある日、テレビで発達障害というものを知る。
そこで彼女は初めて自身の症状がわかり、前向きに治療に向かえる事ができた。
それがまだ一昨年の事だ。
「グレーゾーン」
彼女はいわゆる世の中でそう言われるひとりである。
見た目や話しただけでは障害はわからない。
働いても、働いても、社会や人々への期待に添うことができない。
何より、自信の障害を知らなかった事が悔しかったという。
しかしある日ジョブリコと出会い、そしてNODDと出会った。
「外に出ることも出来なかった自分が一歩踏み出したおかげでこんな驚くつながりが生まれた。こんなに人生が動くのか、と思った」
そして
yocoさんの絵を使った商品のサンプルが出来上がり、初めて自身の絵が生まれ変わったものを手にする。
「ゴミと言われる事さえあった私の絵を、人に役に立つものとして扱ってくれた事が本当に、本当に嬉しい」
そう言って、彼女は涙した。
僕たちにとって、とても価値のある絵。
それは世の中にとっても、素晴らしいものである事を商品を通じて伝えていきたい。
NODDが障害者アートと向き合うなかで、言葉でのコミニケーションを取れる事は数少ない。
その分、デザインや思いやりを通じて気持ちを通わせていた。
今回NODDの意義や価値
感謝をアーティスト自身から言葉で伝えてもらい
その涙を見て思う
「僕たちに何ができるのだろうか?」
それを常に考えていきたい。
感謝の輪をつなげていこう。
日常の中で、世間や自身さえからも理解が得られず「生きづらさ」を抱えてる人が多くいる。
そんな人や、それを支えるような人々へ対しても支え合えるようなデザインをNODDは生み出し続けていきたい。
そしてJOBRICO X yoco X NODDのコラボアイテムは出来上がった。
Photography & Written : 寺門 誠/ Makoto Terakado
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