レポート
台東区の福祉をデザインで盛り上げよう〜前編
NODD。
東京都台東区に身を置く、男2人組のブランドであり活動体。
僕たち2人のスキルは「デザイン」だ。
ある日突然障害福祉の世界に突っ込み、デザインの力を使い様々な事をしてきた。
服をつくり。
音楽フェスでコンクールを開催し。
海のイベントでワークショップし。
山の旅館で展示会を開き。
台湾の国営イベントに招かれ。
お絵かきの先生をし。
高校生や大学生に授業をし。
企業の方々とデザイン商品でコラボした。
そんな風変わりな僕たちの日々は要約するとこうだ。
「デザインにより→障害福祉の魅力を引き上げる」
「障害福祉により→デザインの可能性を引き上げる」
そしてまた新たな取り組みへと動き出している。
台東区の障害福祉課よりいただいたデザイン依頼だ。
台東区の福祉を盛り上げる為、工賃向上の為、僕らの力を使っていただきたいとの事。
デザイン支援先は決まった。
『特定非営利活動法人 耕房輝』上野に構える障害福祉作業所だ。
支援員の方々の笑顔あふれる耕房輝の名物は、お麩で作られたラスクである。
このお麩がまた、美味しいのである。
ほろっとしながらも、ラスクらしいサクサクとした独特の食感。
バターの風味と季節ごとの様々な味のバリエーション。
うぅ〜ん、ぜひこのお菓子を世に広めたい。
僕たちはお麩のラスクのパッケージのデザインリニューアルにとりかかった。
新たなるパッケージを作成するにあたり、一方的にオシャレなデザインを描き下ろし
「それじゃ〜、あとはヨロシク」
というような観光地のお土産のような事はしたくなかった。
利用者の方も、支援員の方も、家族の方も、皆が笑顔になり、そして成長する。
このデザイン体験を通じてそのようなものを生み出したかった。
その為、僕たちは支援員の方々との打ち合わせに多くの時間を使った。
耕房輝の皆さんがどんな人で、何が好きで、どのような未来を目指しているのか。
利用者の方々もたくさんの絵を描いてくれた。
すべてはひとつのパッケージに向けて皆の気持ちを紡いでいった。
大事なのは、皆でデザインを作り上げる事。
輝の皆が胸を張って自分たちのデザインと誇れるものを生み出す事。
その作業を積み重ねているある日。
僕たちは見つけてしまった。
台東区に潜む、とんでもない輝きを...。
つづく
Photography & Written : 寺門 誠/ Makoto Terakado
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