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【NODD先生】東京工科大学にてリモート講義

REPORT   2020/11/05   NODD

思い返すと、遠く過ぎ去ったキャンパスライフ。

浮かんでくるのは、学食に皆で集まった日々やグループ製作。

学祭の準備に動き出し始める、季節の変わり目の夕方の空気の冷たさ。

そんなささやかな日常の瞬間がうかんでくる。

 

そして今、新しい日常が過ぎてゆく。

キャンパスライフ不在の大学生へ、僕らは力になりたかった。

東京工科大学の『メディア学部』『応用生物学部』『コンピューターサイエンス学部』へと、3度のリモート講義をする機会をいただいた。

インクルーシブという、障害のある者もない者も共に活躍できる社会を考察する授業を受けている彼らへ、NODDの活動を通じて伝えられる事をお話させていただいた。

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1.「障害者アート」に対して「デザイン」という専門領域で挑む

2.福祉作業所と共に歩む活動

3.福祉や障害に囚われない取り組み

このような事を主軸に、NODDのプロダクト開発秘話やイベントでの福祉の方々との交わりを様々な体験と共に話した。

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仕事で使用している実際の資料を閲覧しながらの講義
仕事で使用している実際の資料を閲覧しながらの講義

 

一つのデザインが生まれるまでのコンセプト。

そこにまつわる作家や家族、支援員達の物語。

活動の広がりによって生まれる様々な展開。

 

僕達ならではの特殊な経験と、そこから生まれる独自なインクルーシブへの理論を説いた。

伝えたい事は、美大でデザインを学んだ専門家として福祉と向き合った結果、NODDという活動を生み出した。

聞いてくれている学生達も、自分の専門性と向き合って世の中でそれを活かす可能性を自力で見つけて欲しいという事だ。

 

大学での初講義を終えてみて。

web講義しかできない昨今ではあるが、皆が一律になる独特のこの距離感は特殊だ。

話を聞く姿勢としては良く、復習性も高いし身になるところが多くありそうだ。

 

 

と、教室の後ろで講義を流し聞きしていた昔の自分を思い出しながら想う。

 

最後にごく一部にはなるが、いただいている感想をあげさせていただく。

自己開示し、新たな思考と向き合ってる生徒達の素晴らしい姿が見て取れるはずだ。

※学生のコメントは許可を得て掲載しています。

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・障害者の方とのかかわり方として、商品化されたアートを買うというのは支援として分かりやすい方法だと思った。言語を介して生活していない方々だからこそ、アートに自由さやその人らしさが表れやすいのではないかなと考えた。

・コロナが流行り、人とのコミュニケーションが閉鎖的な中とても貴重なお話を聞くことができました。私も実際、障碍者施設にボランティアでいったことがあるのですが意思疎通が難しかったり、正直怖い印象を持ってしまっています。しかし今日のお話で障害を持った方々のいろいろ な一面を知れた気がします。障害を持った方の支援をしているNODDの活動は素晴らしいと思いましたし、とても尊敬しています。私も生きてい く中で将来どんな形であれ社会に貢献していきたいと思っています。今回のお話で、どのように貢献するか自分の考えの幅が広がった気がしま す。今日は本当にありがとうございました。

・今まで障害者の方々に対して、あまりいいイメージを持つことはできませんでした。しかし、今回の授業や大学の授業を受けて、自分とは違うからこそできるイメージ や制作があるんだなと感じました。また、今までチャリティーに関わることはあまりやってきていませんでしたが、NODDさんのようなアパレルでチャリティーに関わることをしている人がいるということを知り、少し調べてみたいと感じました。

・できることを伸ばしていく、強みにしていくことは自分たちにも当てはまることだと思いました。そして、自分にできることはなんだろうと考えさせらるお話で、貴重な体験ができた気がしました。

・オイルだけでなく、インスタグラムの方でaprレーシングとのコラボもされていて、車、バイク好きとしては本当に距離の近さを感じました。幅広く活動されていて、このよう な支援等が少し遠い存在だと思っていた自分に気づかされました。もっと自分を広くして、NODDさんのように自分にできることを探したいなと思いました。


・小学校の時の同級生に障害を持っている子がいて、いきなり叫んだり叩いてきたりする子だったので、障害者は怖いというイメージしかなかったので、今日の話を聞いて障害者に対する考え方が変わりました。

・障害者に対する偏見がないことや、美大で学んだことの先入観にとらわれず作品を評価できることがすごいと思いました。自分が正しいと思うことを押し付けてしまう時があるので、そういった寛容さを身に着けて様々なものの価値を偏見を持つことなく見出すことができるようになりたいと感じた。

・コロナに入り、こういった外との交流の機会が減っていた中で自分の経験のない貴重な話を聞く機会を得られてありがたかったです。障害者の方の中には話ができない方が多いということも仰っていて、今回はデザイナーの方という事で絵とデザインでのコミュニケーションを取っているとのことで、コミュニケーションに もいろいろな形があるんだなと考えさせられました。


・小学生のころ同じ学年にいた障害をもつ子と遊んでいる時に描いていた、あの時はよく分からなかった絵も実際は何かを表現していたのかなと思った。 どんな人が造ったどんな物でも心を動かされる人が1人でもいればアートなのだと思う。

・一見ノッドとかわいらしい名前のように見えるけれど、意味はとても大きなものが詰まっている感がした。最後にやらない偽善よりやる偽 善という言葉が自分の中で響いた。私もアルバイトをしている中で何度かお客さんの中に障害を持つ方の対応をしたことがあるんですが、かなり独特なお客様が多く対応も難しいので、もっとやさしく接してみれば何か変わるのかなと思った。

・今回の講義で、アートは上手さではなく生きざまだと、いかにその作品で人の心が動いたのかが大事なんだという話がとても心に残りました。その例として絵だけでなく「2年間触られ続けた写真」が作品として商品のデザインに使われているのが印象的でした。それと、人間誰しもかけているところがある。それを健常者と障がい者という言葉でライン引きしてしまうから生き方が窮屈になるんだという話を聞いて、自分も無意識に偏見を持ってしまっていたんだなと気づきました。今回は学ぶことが多く、とても有意義な時間を過ごすことができました。


・NODDさんがおっしゃられていた、学ぶほど均一化されていくアートというのは、中高生の時に美術部に所属していたのですごくわかるなと思いました。世間一般が言う良いアートという固定された概念を私も抱きがちだったので、今回のお話は価値観を見直すとてもいいきっかけとなりまし た。


・今日のお話を聞けて障がい者の方のアートについて印象が変わりました。最近は人気や注目を受けているとは聞いたことはありましたがそれは障害がない人たちにとって新鮮なものだからみたいなことを思っていましたが裏ではNODDさんみたいな人たちの努力や広報、通常では見れないようなアートを作る人たちの個性が強く反映された作品やそれを生かせる環境が生み出した必然的な人気だったのかなと思いました。


・AIを用いて、紹介してくださった「犬」などのアートを作れないかと考えましたが、AIは健常者が「普通」の人間の認知を模倣しているだけなの で到底無理なんじゃないかと思いました。 そう考えると、根本から健常者とは全く異なる認知をしている障がい者の方が作るアートはかなり価値があると思いました。


・物凄く勉強になりました。障害を抱えている人は自分たちから発信することができないので、周りの人が協力して福祉について広めていかなければならないと感じまし た。個人的に、NODDさんの商品はストリート系ということもあり、買いたくなりました。将来、社会に影響力のある仕事ができるようになったら、NODDさんのような レールを外れた新しくて魅力的な社会に貢献できる活動をしたいと思いました。ロゴの裏テーマやお二方の考え方がかっこよくて憧れます。

・NODDのお二人のお話で特に印象に残ったのは、渡辺さんの油絵の作品の話でした。渡辺さんが絵の具を重ね続け地層のようなものを作り、それを見た職員さんはそもそ も油絵のやり方というのが固定概念だと気づいた、とのことでした。固定概念を取り払うことで、もっと広い視野で物事をとらえられるようになる、と分かっていてもな かなか難しいです。自然にできるというのはとても素晴らしいと思いましたし、憧れました。検索して作品を拝見しましたが、独特の空気がありもっと見てみたくなりま した。今日の授業をきっかけに、もっと知ることを意識していきたいと思いました。


・お二人の話の中に「作家の中でスポットに当たる人は決まっている」という言葉を聞いて、大変衝撃を受けた。みんながみんな展覧会が出来て、注目されるわけ じゃない。インタビューやメディアに取り上げられるのではない、ことに気づけた。日の目を浴びていないが、素晴らしい才能や作品を生み出している方と手を取って商品にする活動には、救われる人も多く、すごいパワーがあるだろう。

 

以上。それではまた次の機会を生み出しましょう。

 

Photography & Written : 寺門 誠/ Makoto Terakado

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